わが社は、祖父 中野 弘が 祖母と共に始めた紙店がスタートであったと聞いています。淡路島全島を自転車で回り、最初は島内各地の小売店へ紙の卸販売をしていたそうです。お得意さんの要望もあり、次第に文房具全般を取り扱うようになった様です。
2代目社長となった父の頃には、卸のみならず企業への販売にも力を入れ、お得意さんの数が大きく増えました。時代は高度経済成長期で、お得意さんの労働環境も目まぐるしく変化していく中で「これからはOA機器に力を入れよう」と、パソコン・ソフトウェア・コピー機などのOA機器の販売も始めた様です。現在につながる、文具部門とOA機器部門の2本柱体制になりました。
時代の勢いと商材・販路の拡大により、大変忙しかったそうです。私の記憶の中でも、父と母とが朝早くから夜遅くまで毎日、休日もなく働いていた記憶があります。その二人の仕事に対するひたむきな姿勢と忙しい毎日の中でも笑顔をたやさずお客さんとやりとりする姿が、今の私にとってのはたらきかたの見本となっています。
私は島外に出て働いていましたが25歳の時に帰郷し新東に入社しました。その頃からバブル時代の崩壊が言われ、文具業界としてはアスクルを始めとした通信販売が始まりました。大量在庫と物流サービスにより、どんな商品でも単品で翌日のスピード配送が可能となり、規模の大きさが商売の優劣を左右する、弊社の様な規模の小さい会社にとっては大変きびしい時代になりました。さらには激しい値引き競争がはじまり、また文具はコンビニや100円ショップ等色んな販売チャネルで売られるようになりました。消費者にとっては購入できる店が増えて便利になりましたが、弊社の様な文具専門店にとっては厳しい時代となりました。
現在では、会社全体としては以前に比べてOA機器事業部のウエイトが大きくなってきました。私も祖父、父がしてきた様に時代の機会を見抜いて摑み、事業を未来へと繋げていきたい。その為には時代に柔軟に対応し、私の時代にも何か新しい柱を始め、育てていかなければという思いがありました。2014年に社名をそれまでの有限会社新東文具店を改め、有限会社新東とすることにしました。新東と言う社名は引き継ぐけれども、これからは文具とOA機器だけでは無く、いろいろな事にチャレンジして行くという決意でした。
自分一人の力ではなかなか難しいことでしたが、幸い兄弟たちも会社を手伝ってくれており、皆も同じ思いを強く持っていました。また、従業員もみなそれぞれに個性的で協力的な人材が揃ろっています。そのチーム環境を生かし、これからは従業員の個性を伸ばし、それをお客様のお役に立てるサービスへと育て、磨いていこうと思います。
日々、ひたむきに、新東チーム一丸となって努力を続けて行きたいと思っておりますので、皆様これからもどうぞよろしくお願いいたします。
有限会社 新東
代表取締役 中野雅一